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ユーザホテルインタビュー #02 地域とともに歩むホテル経営  ─ ツナグホテルリゾートの挑戦と展望

ユーザホテルインタビュー #02 地域とともに歩むホテル経営 ─ ツナグホテルリゾートの挑戦と展望

ユーザホテルインタビュー 第二弾では、熊本県天草の美しい自然とともに歩む「ツナグホテルリゾート」様をご紹介します。

ツナグホテルリゾート様は、今回取材させて頂いた熊本県の天草にある「ホテルグリーンハウス」と人吉の「ホテル軽井沢」の運営を行っている企業です。今回は、天草の豊かな海と穏やかな風景に囲まれたホテルを舞台に、ホテル事業の成り立ちや、地域と共に歩む経営の想いについてお話を伺いました。

お話をお聞きしたのは、ツナグホテルリゾートの代表である小山裕士様。どのような思いでホテル経営に取り組まれているのか、その背景に迫ります。

ツナグホテルリゾートの企業情報と設立の経緯について教えてください。

当社の成り立ちは、もともとホテルの土地や建物を所有するオーナー会社とのご縁がきっかけです。私自身、以前は営業職を中心に医療機器販売や事務機器販売に従事しておりましたが、その後、地域での活動を通じて、オーナー会社の社長様と知り合い、声をかけていただいたことからホテル業界に携わることとなりました。

入社したのは「株式会社興和商事」という会社で、こちらは天草の「ホテルグリーンハウス」と人吉の「ホテル軽井沢」を運営している企業です。その後、父が体調を崩し父が立ち上げた会社を継承する際、これまでのホテル経営の経験を生かして、業務委託の形で引き続きホテルの運営を任せていただくことになりました。

その流れの中で、新たに「ツナグホテルリゾート」を立ち上げるに至り、現在は3つの会社に関わりながら、地域に根ざしたホテル経営を行っております。これらの取り組みを通じて、地域社会に貢献しながら、お客様に心から満足いただけるサービスを提供することを目指しております。

ツナグホテルリゾートの企業情報と設立の経緯について教えてください。

上天草市「松島展望台」より

ホテルグリーンハウス「外観」

ホテルグリーンハウスのコンセプトやこだわりを教えてください。

当ホテルのコンセプトとしては、やはりこの地域の特性を生かした、ゆったりとくつろげる空間の提供を目指しています。この『ホテルグリーンハウス』や人吉にある『ホテル軽井沢』は、いずれも地方都市に位置しています。同規模の人口を抱える地域ですので、いわゆるラグジュアリーなスタイルを追求するよりも、訪れたお客様が日常を忘れて心からリラックスできるような空間を大切にしています。

私たちのホテルに来てくださるお客様が、静かで落ち着いた環境の中でゆっくりとした時間を過ごしていただける――それが私たちの理想であり、心を込めて提供したいと考えている部分です。

ホテルグリーンハウスのコンセプトやこだわりを教えてください。

ホテルグリーンハウス「特別室のお部屋」

ホテルグリーンハウス「入口」

ホテルグリーンハウス「ホテル前の景色」

天草でのホテル経営の魅力について、どのように感じていますか?

一般的なホテルとは異なり、当ホテルではお客様を直接お見送りする機会がほとんどありません。お客様は静かに訪れ、静かにお帰りになります。私たちもプライバシーを尊重し、お客様との接触を最小限に抑えるスタイルを取っています。それがこのホテルの特徴であり、魅力でもあります。

そのため、”おもてなし”の形が通常のホテルとは少し違うのですが、確実に言えるのは、この地域にとって必要なホテルであるということです。地方では選択肢が限られるため、私たちのような施設の存在が地域の宿泊ニーズを支えていると感じています。

天草でのホテル経営の魅力について、どのように感じていますか?

ホテルグリーンハウス「エントランス」

ホテルグリーンハウス「階段」

他のホテルとの差別化のために、特に力を入れていることはありますか?

地方のホテルでは、都市部のようなラグジュアリーな設備を備えるのは難しいです。たとえば、プール付きや広大な中庭のある施設はなかなか見かけません。そこで私たちは、設備面での差別化を意識しています。

具体的には、VOD(ビデオ・オン・デマンド)やWi-Fi環境の整備に力を入れました。実は以前はWi-Fiがなかったんです。そのため、お客様にはDVDを無料で貸し出すなど、少しでも滞在を楽しんでいただける工夫をしていました。しかし、Wi-Fiが導入されたことで、VODの提供が可能になり、最新の映画やコンテンツを自由に楽しんでいただけるようになりました。

今の若い世代は、地上波のテレビ番組をあまり見ず、スマートフォンでYouTubeやNetflixを楽しむことが主流になっています。実際、私の娘も福岡の大学に通っていますが、自宅にテレビを置いていません。若い世代にとって、ホテルでYouTubeをテレビ画面で見られる環境は、もはや”最低条件”になりつつあります。こうしたニーズに応えることで、地方にいながらも現代のお客様に合ったサービスを提供していきたいと考えています。

他のホテルとの差別化のために、特に力を入れていることはありますか?

ホテルグリーンハウス「特別室のVOD」

どのようなお客様が多く利用されていますか?

やはり地方のホテルということもあり、比較的高齢の方が多いですね。ただ、70代以上のお客様はそれほど多くなく、主な客層としては40代から50代の方が中心になっています。この年代の方々は、落ち着いた環境でゆっくりと過ごすことを求める傾向が強く、当ホテルの”くつろげる空間”というコンセプトと相性が良いのだと思います。

どのようなお客様が多く利用されていますか?

ホテルグリーンハウス「ランクBのお部屋」

ホテルグリーンハウス「浴室」

VODやシネマチャンネルを導入された経緯を教えてください。

以前からVODの導入には興味がありました。私もホテル協会に所属しているのですが、展示会などに行くと、数年前から多くのホテルがVODを導入し始めていたんです。お客様の満足度向上のためにも導入したいと思っていましたが、当時はWi-Fi環境が整っておらず、実現できませんでした。

そんな中、数年前に福岡で開催された『九州レジャーホテル協会』主催の展示会でIPIさんが出展されていたんです。そこで初めてお話を伺い、その後IPIさんが営業に来られました。実際にデモを見せていただき、料金の説明を受けたのですが、驚くほど低価格で、しかも必要十分な機能が揃っていたので導入することに決めました。

VODやシネマチャンネルを導入された経緯を教えてください。

ホテルグリーンハウス「ランクAのお部屋のVOD」

IPIさんに依頼を決めたポイントは?

他社とも比較しましたが、決め手となったのはシンプルで無駄のないシステムでした。VODの中には館内案内や飲食メニューを表示する機能がついたものもありますが、当ホテルではそうした機能は不要でした。高額な初期費用をかけて情報を表示するよりも、お客様が求める映画やアダルトチャンネル、YouTubeやNetflixなどの視聴環境を整えることが優先だったんです。

また、高齢のお客様が多いことも考慮し、直感的に操作できるシンプルなシステムであることも重要でした。そうした点で、IPIさんの提案は当ホテルのニーズにぴったりだったんです。『これだ!』と確信しましたね。価格、機能、操作性のすべてがマッチし、スムーズに導入を決めました。

IPIさんに依頼を決めたポイントは?

ホテルグリーンハウス「特別室のVOD」

企業・ホテルとしての今後の目標や展望を教えてください。

当ホテルは、地域にとって必要不可欠な存在であり続けたいと考えています。しかし、地方では人口減少や少子高齢化が進み、ホテル経営はますます厳しくなっています。コロナ禍以降の回復も思ったように進まず、現状をどう打開するか、まさに今模索しているところです。

これまでのレジャーホテルは、主に若年層のカップルをターゲットにしてきましたが、時代の変化とともにニーズも多様化しています。今後は、ビジネス利用や長期滞在型の宿泊ニーズにも対応できるよう、サービスを拡充していきたいと考えています。

また、観光客やワーケーション利用者の取り込みも重要な課題です。天草ではまだインバウンド需要は少ないものの、地方におけるワーケーションのニーズは高まっています。当ホテルも、気軽に立ち寄れる宿泊施設としての魅力を発信し、より多くの客層に利用していただけるよう工夫を重ねていきます。

さらに、ビジネスホテルにはない独自の魅力を活かし、快適な宿泊体験を提供することで、新たな顧客層を開拓したいと考えています。今後も、お客様のニーズを的確に捉え、地域に根差したホテルとして存続し続けるための取り組みを進めていきます。

企業・ホテルとしての今後の目標や展望を教えてください。

ホテルグリーンハウス「入口」

ここからは少し余談で、生まれは天草とのことですが、どのような環境で育ちましたか?

私は天草で生まれましたが、小学校低学年の頃に、親の仕事の都合で家族全員で熊本市内へ引っ越しました。そのため、育ちは熊本市内ですが、25歳の時にUターンで天草に戻り、今ではこちらでの生活の方が長くなりました。帰ってきてからもう25年が経ちますね。

実家は天草にあり、もともとは五和町(いつわまち)という自治体でした。平成の大合併(2006年頃)で、2市8町が合併し、現在の天草市になりました。それ以前は本渡市や牛深市といった別々の自治体だったんです。五和町は人口1万人ほどの小さな町で、私の実家は海沿いにあります。

特に「鬼池港(おにいけこう)」が近く、ここからは南島原半島の口之津港(くちのつこう)までフェリーで約30分。車を乗せて対岸に渡ることもできる便利な場所で、運が良ければイルカも見ることができます。私の生まれ育った地域は、まさに海とともにある町でした。

ここからは少し余談で、生まれは天草とのことですが、どのような環境で育ちましたか?

五和町御領

鬼池港

鬼池港から眺める「島原半島」

天草五和町の沖合いを駆け巡る野生のイルカ

これから天草を訪れる方に向けて、おすすめのスポットや何かメッセージがあれば教えてください。

天草に来たら、まずは食を楽しんでいただきたいですね。海に囲まれたこの土地ならではの新鮮な海鮮は、どれも絶品です。ご家族やご友人と、ゆっくりと天草の美味しい食を堪能していただけると嬉しいです。

特におすすめなのが、「天草地魚料理 いけすやまもと」。店内に大きなイケスがあり、そこで泳いでいる魚をそのままさばいて提供してくれます。まさに天草の海の恵みをダイレクトに味わえるお店ですね。一人でしっぽり楽しみたいなら「串焼 よみや」や「おさかな食堂将吾」もおすすめ。特に「将吾」のしめさばは絶品ですよ。

また、天草には歴史や文化を感じられるスポットもたくさんあります。その一つが、世界遺産「崎津天主堂」。長崎の教会群とともに世界遺産に登録されており、静かで荘厳な雰囲気の中で、天草の歴史とキリシタン文化を感じることができます。

アクセスについては、熊本市内からは車で約2時間かかりますが、福岡からなら天草エアラインを利用すれば、たったの35分で到着します。プロペラ機で、かわいいイルカのデザインが特徴的な飛行機です。意外と手軽に訪れることができるので、ぜひ一度足を運んでみてください!

これから天草を訪れる方に向けて、おすすめのスポットや何かメッセージがあれば教えてください。

天草地魚料理 いけすやまもと

串焼 よみや

世界文化遺産「天草の﨑津集落」

﨑津諏訪神社から眺める「﨑津教会」

まとめ

今回のインタビューでは、熊本県天草の自然豊かな環境の中で、「ツナグホテルリゾート」を運営する小山裕士さんにお話を伺いました。小山さんのホテル経営にかける思いは、地域社会への深い愛情と、来訪者への心からのもてなしが基盤となっています。

「ホテルグリーンハウス」のコンセプトは、天草の自然豊かな環境を活かしたリラックス空間作り。静かでプライバシーを尊重するスタイルは、地元の宿泊ニーズにマッチし、訪れるゲストに特別な時間を提供しています。

また、VODやWi-Fiの導入は、時代に即したサービスへの対応力を示しており、小山さんの先見性が光ります。IPIとのパートナーシップも、彼のホテル運営に対する深い洞察とシンプルさへのこだわりが感じられました。

小山さんが語る天草の魅力には、彼の地元愛が溢れています。海の幸を楽しむ食体験や歴史的スポットの紹介は、天草の魅力を再認識させられます。今後は観光客やワーケーション利用者への対応も強化し、地域と共に発展するホテル経営を目指しています。

このインタビューを通じて、ホテル業界における地域との共生と顧客満足の追求がいかに重要かを再確認しました。天草の自然と文化を感じたい方は、ぜひ「ホテルグリーンハウス」を訪れてみてください。小山さんの取り組みが、天草の未来を明るく照らす一助となることを願っています。


■合同会社ツナグホテルリゾート
■本社所在地
〒863-0032
熊本県天草市太田町21番地4
事業内容
ホテル事業
■取材日:2024年12月13日
■取材ホテル
ホテル GREEN HOUSE
・オフィシャルサイト
https://hotenavi.com/greenhouse/index.html
・ハピホテ
https://happyhotel.jp/hotels/630709
熊本県天草市楠浦町本越3338-3
0969-23-8300

■取材・執筆:株式会社インクワイアリー

倉岳神社から見た八代海の朝焼け

倉岳神社から見た八代海の朝焼け